
大学もテスト週間で、週末は誰も釣りに出ないという。
しかも、朝起きると雨。
「なんでぇ、つまんねーの。。」
昼過ぎのテレビを付ければ、NHKはなんとものどかな番組。
イタリアの伝統的なハムの作り方と、それを使った料理の紹介。
レシピを紹介されても、その「カルテルロ」とか言うハムが手に入りません。
しかも、「このハムじゃなきゃ出ない風味があります」と来た。
なるほど。いよいよ、どーしようもないですな。。
しかし、脇に流れてるドブ川にはデカいノーザンパイクが居そうですね。。
午後2時半。
退屈に絶望していたが、雨があがったようだ。
リアルタイム天気予報でも、雨は小降り~晴れになるとのこと。
5分後には速攻でウェーダーをリュックに詰め、竿をもって出動!
このフットワークの軽さは小学生並みです(笑)
川に到着すると、まあ増水です。
流量は平水時の三倍くらい。
濁りは薄く、なんとも釣れそうな雰囲気!
後輩の高橋くんお手製のバルサミノーが、ご機嫌に踊ってくれます。
見た目はアレなんですが、転げ回るようにヒラ打ちするので、
「めちゃ釣れる」のです。

魚の活性も良く、1時間ほどで25㎝クラスが4本も釣れてしまいました。
今日は凄いことが起こるかも・・・

その矢先、晴れ間が出て反応が悪くなってしまった。
いい時代は続きませんな。。
無反応が続いたが、ここは例外だろう。
なんとなく予感はあった。
対岸の柳の下、水深70㎝に比較的緩やかな整流が当たるポイント。
平水時は緩く、ウグイの溜まり場だ。
でも、今日は違う。知っている。
上流にキャスト、これ以上無い場所に、ごく静かに着水。
完璧。
ラインも先程結び変えた。針先もギンギンだ。
軽くラインを揺する。
それでも8lbに伝わる波は重い。
キラキラキラ、と銀色のミノーが柳枝の下に流れ込んでゆく。
ゆらんっ!
「でかっ!」と同時に「アメマス?ではなさそう・・・!」
ミスバイト・・・?体は反応しない。
「まだ(もう一回)来る。」
西日が水面に全反射している。
テンポを上げ、今度はラインではなく直接ミノーを叩く。
2秒後、ティップが「ぬっ」と入った気がした。
まず脇を固定し、腕先の速過ぎる動きを封じた。
竿を下げたまま、上体を大きく捻り、針先を魚にまとわり付かせる。
そして、2歩後退しフックを貫通させた。
竿が大きく絞り込まれている。
そう思ったら、その魚はローリングを始めた。
やまめ?とんでもない太さだ。
「バレるなっ!!」と心で叫んだ。
その一方で、フッキングが完璧であることも知っていた。

36㎝。
大型魚が育たないとされる北海道。
こんなのが居たのか。
しかも、全くの無名の川に。

不覚。写真を撮る手が震えてしまった。
魚のインパクトも凄かったが、完璧なフッキングが出来たことが印象的だった。
早合わせを防ぐため、重みを感じた直後、無意識に肩から先を固定した。
そして、「上体の捻り」という速くない、しかし大きな力で針を貫通させた。
この自重ある大物専用ともいえるアワセ。
そして、無意識に体が動いたこと。
いや、釣れて良かった。。
気付けば、1週間半ぶりの青空が広がっていた。